様々な個性を大切にしたいお話し。
こんにちは、ディレクターの山田です。
たまに下記のような言葉を聞いたことはありませんか?
「茶色が緑色に見える」
「桜の花びらが灰色に見える」
「バスの路線図が分からん!」
「赤色になったら充電がなくなるサインだよ・・・分からん」 等
まず初めに申し上げます。
世の中では病気というカテゴリに分類されていますが、私は個性だと考えています。
その考えを踏まえて、私が経験してきたことや感じたことを文章にいたします。
そもそも色覚異常(色弱)とは?
大勢の人とは色が異なって見える・感じてしまう状態のことです。
そのため色の区別がつきにくい場合があり、日常生活に支障をきたしてしまう可能性もあります。
物を正常にみるためには、視力・視野・色覚の三つの機能が必要ですが、色覚異常とはこの三つの機能のうち、色覚に異常がある状態のことをいいます。
■色覚異常の種類
先天色覚異常・・・原因が遺伝的なもので、生まれつき異常があるもの。
日本人男性の20人に1人(5%)、日本人女性の500人に1人(0.2%)
後天色覚異常・・・他の目の病気の一つの症状として色覚に異常が出るもの。
引用:Santen https://www.santen.com/jp/healthcare/eye/library/color_deficiency
今回は私も保有している先天色覚異常についてのお話しです。
私の体験談
■幼年期
幼稚園で父の絵を描く時間がありました。
私は絵を描くのが好きでしたので、一生懸命描いて褒めてほしい、と思いながら描きました。
すると描いている途中に先生から「なんで肌の色を黄緑で塗っているの!」と怒られました。
私は理由もわからずしょんぼりした記憶があります。
※写真は大人になって描きましたのでイメージ写真です
■少年期
社会科見学でバスに乗る時のこと。
先生から「◯クラスの人は赤色のマークが付いたバスに乗ってください」と言われました。
私は赤色のマークが付いたバスが2台あると勘違いして緑色のバスに乗って周囲から笑われました。
■青年期
新卒で入った会社を試用期間で切られました。
理由は「出版業界(紙)で君の目は今後通用しない恐れがあるから」
能力が低いとか素行が悪いならともかくですが、
社長や役員が直々に謝りに来てくれての退職なのでそう信じたいですね。
■壮年期
先ほど保険屋さんから連絡があり、
「ピンク色の冊子が届いていますか?」
と聞かれ、分からず「はい!◯◯と書かれているものですよね?」と答えました。
その他にも細かいものを入れたら色覚異常(色弱)関連でたくさんの体験をしてきました。
大体、子供の頃は怒られる系が多いですね。
昔は差別の歴史もあるようで、ご興味がある方は調べてみてください。
色覚異常と分かってからの私
どうしても業界を諦められなかった私は、1社目を切られた後WEBのスクールに通いました。
最初に志望理由を聞かれた際、担当の先生から「君はこの業界にいてもたくさんのものを失うよ、それでもやりたい?」と言われました。
「もちろんです!」
その言葉は私の人生の中でも三本の指に入る決心ある言葉だったと思います。
私が心掛けていること・やったこと
1、人に聞く
とにかく人に聞けば答えてくれる。
◯色が✕色に見える、というと興味を持って色々質問してくれる。
2、目のことで親に心配をかけさせない
先天色覚異常は遺伝なので親がとても悩む。
生活において問題ないことをしっかりと伝える。
3、カラーチャートを作る
通常流通しているカラーチャート(色見本)と自分が見えている色を並べて比較表を作る。
他人が赤色と言ったら自分がどう見えているのかを理解するため。
4、色覚補正メガネを買う
安い買い物ではないが、すがる想いで購入。
モニターカラーには向いていないことが判明。
ただし、少なくとも「赤色」を「赤色」として体験できるツール、という程度。
色覚異常でよかったこと
1、コミュニケーションツールになる
何においても他人が自分に興味を持ってくれることです。
まだ仲が深まっていない他人同士が、ちょっとした会話をできる良いネタになります。
2、人によっては才能になる
色覚異常(色弱)はビビットな配色を得意とします。(個人差あり)
絵を描いたり自分の見えている世界を、そのままデザインで表現すると「個性的な配色」として重宝されます。
3、親や子との会話のネタになる
家族関係にもよりますが、親も子も理解をしたいということで、
オトナになって会話するきっかけになります。
4、他人に感謝できる
『見えて当たり前』
『そうでない人がいるのも当たり前。』
世の中には理解してくれる人がたくさんいます。
たくさん親切をくれる。
そんな人達に心から感謝の心が持てます。
まとめ
長々と書かせていただきましたが、皆さんの周りにも意外といるんです。
ただ日常生活ではそんなに支障がないので、あまり気にしていない人もおり、
表に出てきにくい実情があります。
だからこそ、知ってほしかったのでブログにしました。
そんな迷信から逸脱し、少しでも広い視野を皆様に持ってほしいと考えています。
今は「個性の時代」です。
一人ずつが「個性」であるように、「見える色にも個性がある」。
当たり前が当たり前ではない世界が少しずつ許容されようとしている。
私はそんな素敵な個性を持っている全員に優しい世の中であってほしいと切に願います。
足掛かりとして、私達が日々接しているWEBという分野から優しさを広げていけたらと考えております。
まずはこのブログを起点にキャッチアップのディレクターとして、どんなやり方で優しさをカタチにしていくか挑戦をしていく所存です。
おまけ
どんな色に見えているか、体験したい方はアプリがあるようです。
一度体験してみるのも良いかもしれませんね。
色のシミュレータ